てんかんはてんかん性発作を特徴とする慢性の脳疾患と定義されています
実際にてんかんがどのような病気がご存じの方は少ないと思われます。WHOによると、てんかんは様々な病院によって起こる慢性の脳疾患であり、反復して起きる
てんかん性発作を特徴としています。てんかん性発作とは突然意識を失って反応がなくなったり、全身が痙攣をおこしたりする発作で、
大脳ニューロンの過剰な発射(電気的興奮)がその原因です。精神症状が見られることがあるので、精神障害として扱われます。
てんかんは脳内の電気的バランスが乱れて起きています
大脳を構成する無数のニューロン(神経細胞)は、通常はうまくお互いに調和を保ちながら複雑な思考を可能にしています。しかし、この電気的バランスが何らかの理由で突然崩れて一部のニューロン、またはかなり広範囲のニューロンが電気的興奮を起こすことでてんかん発作が発生します。大脳の片側のニューロンの興奮に由来するてんかん発作を
部分発作、両側の大脳半球のニューロンの興奮に由来するてんかん発作を
全般発作と呼びます。
原因によって症候性てんかんと特発性てんかんに分けられます
てんかんは、「大脳ニューロン」が原因で「てんかん性発作」が「反復」して起きる病気というように定義されており、その原因は様々です。原因のわかるてんかんを
症候性てんかんと呼び、脳に何らかの障害や傷があることによって起きる場合が多いです。出生時に脳についた傷、低酸素状態、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳の外傷、アルツハイマーなどが原因となります。一方様々な検査をしても異常が見つからず原因不明なてんかんを
特発性てんかんと呼びます。
てんかんは薬によってコントロールできる病気です
てんかんの発症率はおよそ100人に一人とされており、全国には多数の患者さんがいらっしゃいます。多くの方は適切な治療により発作をコントロールすることができ、問題なく健康に生活することができます。この場合は、長期間の服薬が必要になる可能性が高いので、ほんとうにてんかんどうかの精密な検査が必要です。一方で2割ほどの人の場合は、薬を飲んでもてんかん発作をコントロールできず、
難治性てんかんと呼ばれています。
てんかんは何歳でも発症しうる病気で遺伝もほとんどありません
てんかんは乳幼期から高齢期まで幅広く発病する可能性がありますが、3歳以下の発病が最もおおく、ほとんど18歳以前に発病するとされています。しかし、高齢化に伴い脳血管障害やアルツハイマー病になる高齢者も増え、高齢者のてんかんの発病も増加しています。男女の発症率の差はみられません。一部のてんかんには遺伝子が関連しているとされていますが、多くの場合てんかんは遺伝で受け継がれることはありません。
注意すれば自動車運転をすることももちろん可能です
近年てんかんを患っている方の起こした事故がクローズアップされることもありますが、本人や周囲が注意していれば事故は防ぐことが可能です。上記のようにてんかんは薬によってコントロールできる病気であり、服用した上で体調に注意を払うことが必要です。一部の免許が取得できないなど、運転免許取得には一定の条件が定められています。運転免許の取得や更新の際には、必ず病状を正しく申告しなければなりません。