認知症には様々な原因があります
認知症は脳の神経細胞が破壊されることによって起きる病気ですが、その破壊の原因は様々です。全体の半分以上を占め、最も有名なものはアルツハイマー病による
アルツハイマー型認知症です。その次に多いのが
レビー小体型認知症という別の変性疾患によるもので、その他にも血管性認知症や、感染症による認知症、頭部外傷による認知症などがあります。種類によって症状も違い、適切なケアの仕方も異なってきます。
血管性認知症は脳の血管に起きた異常が原因となります
血管性認知症は脳梗塞、脳出血など脳の血管に何らかの異常が起き、それが原因となる認知症です。脳のどの場所で異常が起きたか、どの程度の障害かによって、症状は異なります。脳の特定の部位の機能が損なわれるため、できることとできないことがはっきりとわかれている場合が多いです。この状態を
まだら認知症と呼び、脳血管性認知症に特徴的な症状です。
最も患者数が多いのはアルツハイマー型認知症です
アルツハイマー病は、海馬を中心に、脳の広範囲にアミロイド斑と神経原線維変化が出現し、脳の神経細胞が死んでいく病気です。短期記憶障害にはじまり、より広範な障害へとゆっくりと進行するのが特徴です。最終的には、神経細胞間の連結が消失し、日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われてしまいます。数多くいる認知症患者のおよそ半数の原因がアルツハイマー病であり、今や国民的な病気であると言えます。
レビー小体型認知症は比較的新しく発見されたタイプの認知症です
レビー小体型認知症は、レビー小体というものが脳内にできて、神経細胞が死滅してしまう病気です。認知機能の障害だけでなく、幻視・妄想などの症状がよく見られます。パーキンソン症状も見られますが、レビー小体はパーキンソン病の患者にも見られる症状であり、認知症を合併したパーキンソン病との境界は曖昧とされています。この病気が最初に発表されたのは1995年でしたが、その患者は多いことがわかってきました。
血管性・アルツハイマー型・レビー小体型を三代認知症と呼びます
血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の3つのタイプの認知症を合わせると、認知症全体の80%以上を占めるともされています。また、認知症患者のおよそ10%は
混合型認知症と呼ばれていて、アルツハイマー病とその他の認知症を併発しています。これ以外にも認知症の原因はたくさんあります。それぞれのより詳しい発生原因や症状については別のページで詳述します。