研究・臨床の双方で国際的に利用されている自閉症スペクトラム障害のスクリーニング検査です
- 原著者 :Simon Baron-Cohen & Sally Wheelwright
- 日本版構成:若林 明雄
- 実施時間 :10-15分 整理時間:5分以内
- 適用範囲 :成人用 (16歳以上)・児童用 (6-15歳)
- 質問項目 :50項目
【自閉症スペクトラムとは】
- 自閉性障害に特有な症状の程度について連続性 (スペクトラム) を想定し,典型的な自閉性障害と健常な状態を両極としてその次元上に個人を位置づけるという考え方です.
- DSM-5においても,自閉性障害の包括的な診断カテゴリーとして「自閉症スペクトラム障害」が設定されています.
【概要】
- 自閉症スペクトラム指数(AQ)は,個人の自閉症傾向を測定する目的で開発され、高機能自閉症やアスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム障害のスクリーニングにも使用できます.
- 研究・臨床の双方で国際的に広く利用されており,自閉症の新しい考え方に対応した検査です.
- 成人用は自己評価,児童用は保護者などによる他者評価で,回答は「あてはまる」から「あてはまらない」までの4段階です.
- 「社会的スキル」,「注意の切り替え」,「細部への関心」,「コミュニケーション」,「想像力」の5つの下位尺度を備えています.
【特長】
- 回答用紙には配点に関する情報が無いので,被検者が結果を気にせずありのままを回答することが期待できます.
- 回答用紙に記入された回答は,記録用紙に転記されます.実施者は回答用紙と記録用紙の接着をはがして,記録用紙上で採点を行います.
- 記録用紙には質問項目と各下位尺度の対応が示されており,各下位尺度の得点とAQ得点(総合得点) を正確に採点できます。
- 日本語版構成者の若林明雄先生に使用手引(成人用・児童用)をご執筆いただきました.自閉症スペクトラムやAQ,検査法,カットオフ値についてまとめていただきました.
【若林先生の手引き序文より引用】
AQは,発表以来,臨床・研究の両面で国際的に幅広く使われています。日本語版もこれまでに様々な領域で使用されてきましたが,今回の正式な公刊により,正しい使用法や背景などを十分に理解した上で,より幅広く適切に使用されることを願っています.